内視鏡
膵臓がんドック
膵臓がんは、早期発見が難しい、発見された時には手遅れ、と言われ恐れられてきました。日本人の膵臓がんは年々増加の一途をたどっており、がん死亡の原因として、男性で第5位、女性で第4位となっています。しかし、いまだ早期発見が難しく、手術できる方は20%程度、5年生存率も10%未満と飛び抜けて低くなっています。
胃がん(ピロリ菌)、肝臓がん(肝炎ウィルス)、肺がん(喫煙)のような危険因子が、膵がんでは未だはっきりしていないことが発見を遅らせる一因とされていますが、一般的な人間ドックで行う検査項目では、膵臓がんを発見すること自体が難しいことも事実です。
しかし近年、膵臓がん発見のために超音波内視鏡(EUS)やMRIが有用であることがわかり、早期に発見できる方が増えつつあります。
JA尾道総合病院の花田敬士先生が広めた超音波内視鏡(EUS)とMRIを組み合わせた方法(図1)で、実際に平均的な膵臓がんの生存率を改善させています(日本消化器病学会雑誌 2018年4月号)。
膵臓がんの早期発見のためには、超音波内視鏡(EUS)とMRI(MRCP)を併用した膵臓がんドックが有効です。
EUS画像
MRI画像
特に超音波内視鏡は、一般的な人間ドックで行われている腹部超音波検査では指摘困難な小さい変化を見つけることが出来ます。膵臓がんドックを行なっている医療機関は全国でもわずかですが、専門医の協力を得て膵臓がんドックを平成30年より開始致しました。興味がある方は、人間ドックのオプション検査項目をご覧下さい。
尚、超音波内視鏡では胃の観察も可能であり、膵臓がんドックと同時に胃内視鏡検査を行うこともできます。