整形外科疾患とロコモーティブシンドロームについて

2024年10月30日 maki (閲覧数:199)

野﨑達也Dr.


 2024年10月11日、真木病院はホテルグランビュー高崎で、整形外科医長の野﨑達也医師による健康講座「整形外科疾患とロコモーティブシンドロームについて」を開催しました。

 野﨑医師は国立琉球大学医学部医学科を卒業後、済生会前橋病院で初期臨床研修医として勤務。その後、群馬大学医学部医学科整形外科学講座に入局し、同科医員、前橋済生会病院整形外科医員、群馬リハビリテーション病院整形外科医員などを経て2023(令和5)年、真木病院に入職されました。

 当日は整形外科疾患で最も多く扱う『骨折』と、高齢者を中心に関心を集めている「ロコモティーブシンドローム」についてわかりやすく解説いただきました。


骨折について

 骨折は骨が壊れること。一口に骨折と言っても一般的な骨折から圧迫骨折、粉砕骨折などいろいろな種類があり、一般に言う「ヒビ」も、壊れた骨が外れずにくっついている状態なだけの骨折であること。

 骨折の治療は骨折の場所、骨折の種類、身体の状態などにより様々な手術方法や治療法を選定すること。私たちが身近に知るギブスと手術のメリット、デメリットを実際の症例のレントゲン画像を用いて詳しく解説されました。

 例えば手首の骨折。「こんな方までギブスを巻くのか」と言われることがあるというエピソードから、ギブスは上下2関節をまたぐ範囲を固定しなければならないこと。足も同じで、それでも骨がずれてしまうリスクがあるのに対し、手術は入院が必要になるがネジなどで直接骨を固定するため強固な固定ができること、ギブスによる固定がいらないこと、状況により様々な手術を使い分けて治療にあたっていることなど話されました。手術の際、先生は「例えば足の場合であれば、将来のことを踏まえ、後で歩きやすいようにと考えながら骨を整える」とおっしゃっていたのが印象に残りました。

 また、入院の有無に関わらず、筋力低下などすぐに元通りに動けるようになるわけではないため、大切なのは「適切な時期と期間のリハビリ」と強調されました。

ロコモーティブシンドロームについて

 ロコモーティブシンドローム(通称:ロコモ)とは、運動器の障害のために移動機能が低下した状態で、進行すると将来介護が必要になる可能性があること。、2023年時点では介護保険を必要する人が708万人に上ったことを挙げ、「痛み・痺れ」「筋力の低下」「動けなくなる」という悪循環が介護を要する状態を引き起こす原因となること、これらを予防するには「運動器の衰えに対する筋力のバランス力のトレーニング」「栄養不足や栄養過多の改善」「生活習慣病の予防やその治療」が非常に大切であるということを説明いただきました。

 また、自身の状態を知ることが出来る「ロコモ度テスト/ロコモ25」も紹介され、日常的にできる簡単な運動なども教えてくださいました。

 そして「不安なことや心配なことがあったら、気軽に真木病院の整形外科外来を訪ねてほしい」と呼びかけ、この日の講演を締めくくられました。

 真木病院の健康講座は、原則年2回、春と秋に開催しています。どなたでもご参加いただけますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。